はじめに
事前に日本からシエラの玄関口である「ケネディ・メドーズ」に送っていたベアキャニスターと軽スパイクを除いて全てを持ち歩いた。
途中で交換したのは靴と靴下のみ。
この装備で30℃~-10℃以下までを対応できたのは、自分の装備選びが正しかったことを証明できて嬉しかった。
とは言え、不要に感じたものや交換したかったものもあったので、その辺についても記載しておく。
装備一覧
バックパック外(g) | 1980.0 | ||
---|---|---|---|
着用品 | 行動着(上) | Arc'teryx / Cormac Hoody | 172 |
行動着(下) | OMM / Sonic Shorts | 26 | |
靴下 | XOSKIN / 5.0 Graduated Compression Sock | 72 | |
下着 | XOSKIN / 3.1 Men's XOUNDERWEAR Seamless Liner Shorts | 63.5 | |
帽子 | HUNGERKNOCK ORIGINALS / PANCHING CAP | 65 | |
膝サポーター | バンテリン / 高通気タイプ ひざ専用 ふつう/Mサイズ × 2 | 57 | |
調光レンズ眼鏡 | JINS / Airframe Hingeless | 18.5 | |
靴 | MIZUNO / WAVE MUJIN TL GTX nonnative | 830 | |
ゲイター | UltraGam / Calf Gaiter | 50 | |
リストゲイター | INNER-FACT / NIKKE AXIO WOOL リストゲイター | 29.5 | |
時計 | CASIO / W-800H | 36.5 | |
ウエストポーチ | Red Paw Packs / Flex Fanny Pack | 103.5 | |
スマホ | Google / Pixcel 7 Pro | 223 | |
財布 | EYL / One Shot | 13.5 | |
マネークリップ | バーゴ / チタニウム マネークリップT-428 | 8 | |
GPS | Garmin /inReach Mini 2 | 106 | |
ライター | bic / スリムライター J23 | 14 | |
パスポート、許可証、耐水メモ帳、ボールペン | オキナ / プロジェクト耐水B7 | 92 |
特定区間のみ使用(g) | 1398.0 | ||
---|---|---|---|
ベアキャニスター | BearVault / BV-500 | 1219 | |
軽アイゼン | Grivel / Spider | 179 |
持って行って良かったもの
日傘(マブ / ACTIVE AW ミニ50)
日傘は灼熱のカリフォルニアでは必須装備。
暑さにやられて木陰で休むハイカーが多い中でも、こいつがあれば余裕の表情で歩くことができる。
日傘を使っている人は2、3割と意外に少ない。
マブの傘はアウトドア用ではないが安くて軽い。
欠点は留め具が使って2日ぐらいで取れたことと、風でひっくり返りやすいこと。
留め具は必要ないし、強風地帯では傘を差さなければ良いだけなのでそれ程気にならない。
Arc’teryx / Cormac Hoody
軽くて抜群の速乾性、UPF 40+の紫外線カット、防臭加工とハイスペックな一枚。
日差しによる色落ちはあるものの、耐久性も高く、4か月間着続けても穴すら開いていない。
どうしても速乾性に劣るメリノウールは買わなくなった。
凌 / フタエズボン
長ズボンは嫌いだったが、素材のDotAirが通気性抜群で全く不快感が無い。
多くのハイカーから良いズボンだね!とめちゃくちゃ言われ、PCT Daysでも1日に5回はどこのズボンか聞かれたので海外受けも良い。
モンクのズボンみたいだと言うことで、私のトレイルネーム「Programming Monk」の所以にもなっているので愛着がある。
ソーラーパネル
これのおかげで充電に困ることは無かった。重いが充電のため町に下りる回数が減らせるのであると便利。
私の使っていた「Anker / PowerPort Solar Lite」は既に廃番のようだ。
ただシエラ区間では山を下りる頻度が多かったので一度も使わなかった。
そのため、ジョンミューア・トレイル(JMT)を歩く人には不要と思う。
膝サポーター(バンテリン / 高通気タイプ ひざ専用)
PCT前に歩いたみちのく潮風トレイルで痛めた膝の痛みを軽減させるために持って行った。
蒸れにくく、サポート力もあるので膝へのダメージがかなり減らせた。
サポーターの色といえば黒ばかりだが、本製品はシルバーグレーなのもお気に入りポイント。
膝サポーターを付けているPCTハイカーは結構多い。皆膝に不安を抱えている。
無くても良かったもの
MIYAGEN Trail Engineering / TO TRAIL TO TOWN 手ぬぐい
海外トレイルを歩くハイカーなら買う人も多いと思うが、実際のところヒッチハイクは親指を立てれば十分。ソロハイカーには不要と感じた。
複数人で歩く想定なら一人が持参しても良いだろう。
手ぬぐい自体は一枚あると何かと便利なので、丈夫な手ぬぐいを一枚持っていくと良い。
現状、山荘飯島の手ぬぐいが丈夫で汚れが目立ちにくいので最強。
EVERNEW / Water bag
EVERNEWのウォーターバッグの2L、3Lを一つずつ持って行ったが、最終的には「Smartwater」か「LIFEWTR」の1Lボトル2本、ろ過用に1.5Lボトル1本に落ち着いた。
(水場が少ない場合は、上記に更に1Lボトルを1本追加。)
要するに現地で調達するペットボトルで十分。
流れの少ない沢で水を汲む際には便利だったが、プラティパスをカットしたバケツやクリアファイルをカットした漏斗を持っていけば代用できる。
ろ過用ペットボトルの水の残量が多い程、ろ過速度は速いので、1Lボトルより1.5Lボトルを使用した方が1Lの水を作るのは容易に感じた。
「Smartwater」のボトルは落とした時に底が割れてしまったことがあるので、個人的には「LIFEWTR」の方が好み。
サンダル(LUNA SANDALS / Retro Mono)
「渡渉時に靴が濡れるのを防ぐため」と「靴が壊れた際の保険」として持って行ったが、流れが速い沢の渡渉は靴で渡るので、「流れが遅く水深が深い沢」という限定的な場面でしか活躍しなかった。
また、靴は履いていった1足と途中で購入した1足で十分だったため、保険としても活躍はしなかった。
町に宿泊して買い物に行くときやテント場に着いた時は便利ではあるが、重量の割に出番が少なかった。
最近出たZpacksのテン場サンダル(52g)ぐらい軽量なら持って行っても良いと思う。
イヤホン
使ったのは飛行機の中ぐらいで、基本的に周りに人がいないところで寝ていたのでスマホのスピーカーで十分だった。
私は音楽を聴きながら歩く人の否定派。安全のためというのもあるが、自分自身と対話できる貴重な時間を聴くことに消費している人は残念に思う。
交換したかったもの
テント(Gossamer Gear / The One DCF)
3年前に購入したテントを持っていたが、穴が開いてはダクトテープで塞ぐ日々を送っていた。
毎日のようにテントを張るので、新品に近い状態のテントを持っていくべきだった。
ザック(ZimmerBuilt / BigStep Pack Ultra 200X)
ショルダーパッドが細くて硬いので肩に食い込み肩が常に痛かったので、手ぬぐいを巻いて使用していた。
また、負担のかかる部分に穴が開いたのを手縫いで補修したり、内部が剥離したり。
生地の厚みも考慮する必要はあるが、新素材のUltraへの信頼度が落ちた。自分の中ではまだまだダイニーマの方が信頼度は高い。
10kgを超える重量で長時間行動することも多かったため、500g前後のザックでは耐久面で厳しいと感じた。
不要な物を荷物として先へ送るバウンスボックスの利用など軽さを維持する対応が必要。
九州自然歩道で使用したが、全然壊れる気がしないHyperliteのJUNCTION(40L)を持っていけばよかったと後悔。
結局のところ、水と食料が重量の大分部を占めるのでザックの重量が300gぐらい増えたところで誤差レベルなのだ。
軽スパイク(Grivel / Spider)
昔から低山の雪山で使用したものを持って行った。以前から思ってはいたが、かなり外れやすい。
シリコンバンドで固定するタイプをお勧めする。
海外ハイカーの装備
最後に私が出会った海外ハイカー達の装備の傾向について記載しておく。
テントはDurston Gear / X Mid 1シリーズが圧倒的に多い。次いでZpacks。
全体的にシングルポールのモデルより、ダブルポールのモデルを採用する人が多かった印象。
非自立式、自立式テントの割合は7:3ぐらい。
カリフォルニアでは滅多に雨が降らないので、自立式はフライシートを外してインナーテントだけで寝てる人が多い。
メッシュ生地で結露対策にもなるので、この点は自立式も悪くないと感じた。
ザックはオスプレーの48L以上のモデルが一番多かった。次いでHyperlite。
水や食料を入れると10kg超えが普通なので、重たい荷物でも快適に行動できる設計のオスプレーのザックが選ばれるのは納得だ。
スリーピングマットはNIMO / Switchbackが圧倒的に多い。
カットせず、そのままザックに外付けするのが一般的。
上記を纏めると、ULギアで固めている人は稀で、旅として快適性を考えた上での装備選びとなっている。
日本だとULギアで固めるのが正解みたいな雰囲気があるが、そこまで軽くしなくても歩けるよねという考え方の印象。心のゆとりを感じる。
これは非常に勉強になり、帰国後はULギアへの物欲が激減した。(ブログ的には書くネタが減った。)