前回記事
はじめに
2024年にアメリカの3大ロングトレイルの1つ、PCTことパシフィック・クレスト・トレイル(4,265km) のNOBO(北向き)に挑戦するため準備を進めています。
今回はB2ビザ(観光ビザ)の取得について面接時期や質問された内容、面接予約時に困ったことなどについてまとめました。
申請書(DS-160)の提出から面接までの流れについては以下のサイトが非常に参考になりました。
面接までの一連の流れについてはこちらをご覧ください。
参考リンク
USTravelDocs
申請書(DS-160)の注意点としては、嘘は書かないこと。
使用中のメールアドレスやSNSのアカウント等、記入漏れも無いようにする。
アメリカの発着空港は特にこだわりが無いなら、往復便が安いロサンゼルスが良いでしょう。
私は何も考えずスタートとゴールに近いサンディエゴとシアトルを指定しましたが、後から飛行機代を調べて直行便の値段の高さに震えました。結局カナダ経由で行けばだいぶ安く抑えられたため良かったですが、ロサンゼルス往復便が一番妥当かと思います。
私が購入した航空券の話は準備編③を参照してください。
面接時期
出国予定日の3か月前から予約可能で、B2ビザの面接地は執筆時点で「東京」「大阪」「那覇」の3か所のみです。
PCT(NOBO)の開始月は3月初め~5月末のため、12月初め~2月末には面接を完了することができます。
面接の予約はオンライン非移民ビザ申請(DS-160)の確認番号さえ発行できれば予約可能なので、急ぎの場合はDS-160の送信より先に面接予約した方が良いかと思います。
私は5月上旬のスタートですが、だいぶ甘く見ていて2/28に大阪で予約しようとしました。
しかし、その時点で3月は全て埋まっており、最速で4/11。
その後DS-160の内容に誤りが見つかり、一度キャンセルしたころ大阪での予約が取れない状況でしたので、那覇に切り替えることに。
那覇に切り替えたものの予約が埋まっていたため、キャンセル待ちを狙い定期的にログインして4/2の面接になりました。アフターコロナで渡米需要が高まっているので、私のようにギリギリにならないよう早めの予約を心掛けましょう。
東京、大阪よりは那覇の方が予約を取りやすいです。面接は平日にしか実施されないため格安航空券で安く行けることを考えると、観光ついでに第一候補に那覇を選択するのも有りだと思います。
ただ面接時刻が8:00とかなので前泊しないと厳しいですが。
面接予約に関する問い合わせ内容
※2023年10月に予約システムが新システムへ移行しています。それ以前の情報は旧システムでの話なので現在ではあまり参考にならないと思います。
また、完全に新システムへ移行できていないみたいで、面接予約後に届く確認メールに予約後のDS-160確認番号の修正に関するリンクがありますが旧システムに飛ばされます。
現在の修正方法については下記の通り一度キャンセルが必要とのこと。
不明点がある場合は「フィードバック/お問い合わせ」より(英語で)問い合わせができます。
参考までに私が問い合わせた内容を記載しておきます。
・DS-160の確認番号がAA00Dから始まるが、入力欄でAA005~AA00Cまでで入力しろとエラーがでるんだが?
⇒システム側の対応をしてくれたみたいで翌日に回答をもらった時には入力できるようになった。
・面接予約後にDS-160の内容に誤りを見つけました。新しいDS-160の確認番号への変更方法を教えて。
⇒できません。ビザ面接の予約をキャンセルする必要があります。
・面接地を大阪から那覇に変更したいのですが、どうすればいい?
⇒新しいDS-160申請書を作成する必要があります。情報を修正・更新したい場合は、古いDS-160申請書は破棄し、新しいDS-160申請書を作成してください。その後「申請を終了し、新たに開始する」から再度面接を予約してください。
・面接予約キャンセル後に「申請を終了し、新たに開始する」が表示されてないんだが?
⇒回答が来る前に半日ぐらいで表示された。キャンセル直後は表示されないのかも。
面接当日の持参品
面接時に持っていくものは以下の通りです。
(1) パスポート:米国での滞在予定期間に加えて6か月以上の残存有効期間があること
(2) 証明写真1枚 (5cm X 5cm):6か月以内に撮影した背景が白のカラー写真
(3) DS-160確認書
(4) 面接予約確認書
(5) 補足資料(サポートレター)
証明写真は近所の写真屋さんで撮影してもらいました。DS-160用に必要な電子データは別料金でしたので「フォトスキャン by Google フォト」というアプリで写真をデータ化しました。
サポートレターとは
なぜ90日以内の滞在であるESTAではダメなのか、米国で働かず日本に必ず戻ってくるということを説明するための補足資料になります。サポートレターは過去にPCTを歩いた先輩方の情報を参考に作成しました。
参考リンク
SodaPop’s
からあげ隊長の日記
全て英語で用意する必要があり、原本または写しがあるものは英訳する必要があります。英訳したものについては内容に誤りがないことを証明する署名欄を追加して印刷後に手書き(ローマ字)でサインしました。
用意したサポートレターは以下の通りです。前提として私は個人事業主であり、賃貸を契約したまま渡米します。何を用意するかは人によりますので正解はありません。
(2) PCT長距離許可証の承認メールと申請メール
PCT長距離許可証は開始日の3週間前にしか印刷できないため、申請後に送られてきたメールとその後承認された際のメールを印刷。
(3) カリフォルニア州消防許可書
申請後に送られてきたPDFを印刷。
(4) 行程表
Craig’s PCT Planner で作成したものを印刷。
(5) 残高証明書
提出したサポートレターで唯一返却されなかったのがこれ。ビザ取得後、パスポートと一緒に返送されたので、正直これが一番大事な資料と思います。
残高は200万円が目安と言われていますが今の為替や物価高で考えると少なくとも300万円ぐらいは無いと厳しいのでは。
私のメインバンクは楽天銀行のため、電話にて英文版の発行手続き。
電話で名前と住所(英文表記)のアルファベットを1文字ずつ読み上げていくという非常に面倒な作業です。カンマやスペースまで全て口で伝えますので20分ぐらいかかりました。電話手続きが必要な銀行は事前にメモを用意しておきましょう。
(6) 戸籍謄本
役所から取り寄せたものと英訳したものを印刷。役所から取り寄せたものは2ページあったのでホッチキスで止められていましたが紙だけになるように外しました。
(7) 建物賃貸借契約書、賃貸借契約更新のハガキ
今の賃貸は2年契約で2年以上住んでいたため建物賃貸借契約書に記載の契約期間が切れていました。そのため、更新時のハガキも付けることに。サポートレターが返却されるとは知らなかったため、どちらも原本をスキャンした写しを印刷。共に契約内容や更新内容が記載の表面のみを自力で英訳。
(8) 個人事業開業届出書
届出の写しと自力で英訳したものを印刷。
(9) 確定申告書、電子申請等データシート
「益田税理士事務所」さんが英訳版を販売されていますのでこちらを利用。第一表のみを印刷。
e-taxで申請しているので電子申請等データシートを証明書として自力で英訳。
上記に加えてサポートレターの表紙を作成します。文章のベースは「SodaPop’s」さんが公開されているものを参考に作成。日付は面接日、提出先は面接地の那覇としました。
項目が固まり、文章をある程度作成したらChatGPT君に手直しを依頼。
「以下の文章について文法的に誤っているところを修正し、その理由を説明してください」と依頼して手直しすれば完成です。便利な時代ですこと…
あとは印刷物を表紙の通り並べて各項目の間にダイソーで買った仕切りインデックスを挟んでインデックスに番号を書いて完成。
面接当日
※あくまでも那覇のアメリカ領事館の話です。他の面接地の対応は知りません。
先に結論から書くと「恐れる必要は無い。すぐに終わる。」
面接は8:00からのため前日に沖縄入りして「古島駅」近くのホテルに宿泊。
面接当日は「古島駅」のロッカーに荷物を入れて最終駅の「てだこ浦西駅」へ。
「古島駅」で荷物を入れた理由は「てだこ浦西駅」のロッカーが空いていなかったらロッカー探しが必要になるため。
アメリカ領事館まで歩いていく予定でしたが時間的にギリギリになりそうでしたのでタクシーで移動。(700円)
アメリカ領事館7:45着と少し早めに着きましたが入ってみることに。
門の前に居る警察官に面接を受けに来た旨を伝えると正面の建物に行くように指示されます。
建物に近付くと建物内の右側に居る人が合図をしてきますので、そちらへ向かいガラス越しにパスポートを渡して面接者かチェックされます。
それが終わると建物左側の扉を開けてくれるので手荷物検査となります。
書類一式、パスポートや財布等を入れたカバンを籠に入れて検査機に通し問題無ければ建物から出ます。出た先に別の建物があるので扉に近付くとロックを解除してくれますので中に入り、さらにもう一つ扉がありますので開けて入ります。
中に入ると2番窓口に人が座っていたので挨拶して、クリアファイルにパスポート、証明写真、サポートレターを入れて提出。椅子に掛けて呼ばれるのを待ちます。流石に予約時間より前なので面接者は私しか居ませんが何事もなく対応してくれました。
ちなみに那覇のアメリカ領事館ではスマホは回収されませんでしたので、後から来た面接者でスマホを触っている人もいました。私は持ち込んでいた小説を読んでいましたが緊張して全然内容が頭に入ってきませんでしたw
名前が呼ばれたら3番窓口で指紋採取です。指示された通りに指紋を取り終わると席に戻ります。
うろ覚えですがこのタイミングでサポートレターが返却されたはず。クリアファイルは戻ってこなかったので私みたいにクリアファイルをカバンに入れず手に持っていく人はクリアファイル2枚で挟んで1枚を帰り用にした方が良いでしょう。
再度名前が呼ばれるので4番窓口でいよいよ面接の始まりです。
質疑応答の結果は以下の通り。5分掛らずに終わりました。
・渡航の目的は?
⇒パシフィック・クレスト・トレイルを歩くためです。
・いつから歩くのか
⇒(PCT長距離許可証の開始日)から歩き始めます。
・どこの州を歩くか、ワシントン州だけ?
⇒(歩く州を忘れたので)メキシコの国境からカナダの国境まで歩きます。
・仕事は?
⇒個人事業主で●●をやっています。
・英語は話せるか
⇒いいえ、自信ありません。
・日本語だけで大丈夫か
⇒スマホのアプリで頑張ります。
ここで面接官から「あ〜Google先生!」と予想外の返答があり、笑う。
・どこに住んでいるか
⇒福岡県です。
・VISA申請は許可されました。パスポートは2週間ぐらいで返送されます。何か質問はありますか?
⇒ありません。
もう帰っていいとのことなので来た道を戻って門を出ます。この間25分。8:10には門の外に居ました。
頑張って用意したサポートレターは私が持ったままで一度も面接官は見ませんでした。えぇ思ってたんと違う…
ただ「どこの州を歩く?」と言われて答えに困ったときはPCT概要図を見せれば良かったかなと終わった後に思いました。
また、指紋採取の時にはサポートレターがばらされていたので他の窓口では中身の確認がされているようです。
ここまでの一連の流れは全て日本語で行われました。門を出るまで私は一度も英語を発していません。親切すぎる…
その後はルートビア飲み放題のA&Wで飯食って、修繕中の首里城で100名城スタンプをゲットして、国際通りで海ブドウと島らっきょを買って帰宅。お疲れ様でした。
面接後
DS-160の申請状況を確認し「Issued」まで進むことを確認しましょう。
面接から6日後にパスポート配送会社のAyobas Premiumより住所更新の依頼メールが来ました。
パスポート番号やUID(面接予約確認書に記載の9桁の数字)等を入力して配送先を入力する必要があります。
入力時なぜか日本語表示だと住所入力の画面に遷移しなかった(姓・名が表示されている内容と逆?)ので「English」を選択して入力すると問題なく遷移できました。その後日本語に戻して日本語で住所等を入力して更新完了。
那覇の場合は無料で配達してくれます。
面接から9日後の4/11に無事パスポートを受け取った。
③につづく